LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「イオリちゃん♪」
「…………」
あたしは今、カイトのクラスに来ています。
「あ、わざわざ返しに来てくれたの〜?」
「………………」
あたしは無言で借りた(不本意だけど)ジャージを差し出した。
「ずっと持っててくれても良かったのに」
「ジョーダン!」
いらねぇ!!
「やっと喋った♪」
…やっぱ嫌。
あたしは大きくため息をつく。
「一応お礼言っとくわ…
ありがと」
早くこの場から離れたい。
勘違いしてる女子先輩方の目線が痛い。
カナエの言った通り、カイトはやっぱモテるんだ。
「じゃあ…」
あたしは一応ほんの少しだけ(笑)頭を下げてその場を離れようとした。