LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
そんなふうに思ったのもつかの間……
嵐と言うものは突然やってくる。
「………ねぇイオリ…」
いつもの様に学校へ着き、鞄を下ろした途端
「おはよう」も言わず神妙な顔つきのカナエがやって来た。
「カナエ?
何、深刻な顔してんの?似合わないよ?」
「……………」
言い返して来るものだと思っていたあたしは、何の反応もないカナエに首を傾げる。
「カナエ…?」
「イオリぃ…」
えっ!?
涙目っっ!?
「どこか痛いの!?」
あたしは慌てて顔を覗き込んだ。
「違う、違うのっ!」
はぁ…!?
でも顔が真っ青なんだけど…
「おはよー、どした…?」
「あ、ハル」
ハルが教室に入るなり、あたし達に近付いて来た。