LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「あ…カナエが…」
具合が悪いみたいだと言おうとした瞬間、
グイッ
「!?!?
えっ…カナエっ!?」」
一瞬、ハルを睨んだカナエは強い力であたしを廊下へと引っ張って行く。
カナエ??
今ハルを睨んだ……?
あたしの頭は、はてなマークがいっぱいで。
仕方なくカナエに着いていく。
キィ…
着いたのは屋上。
雨上がりの屋上はまだ湿っぽかった。
「カナエ…?」
あたしはカナエの後ろ姿に問い掛ける。
やっぱり様子がおかしい。
「イオリ……」
「うん…?」
カナエが恐る恐る口を開く。
「あたしね…見ちゃったの……」
見た…?
「何を??」
「…………」
カナエ……?
「ハルくんが……」
ハルが??