LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「ハルくんが……
マナ先輩といるとこ………」
そう言うと、カナエの瞳からボロボロと涙が溢れ出した。
「昨日…帰りに駅で見ちゃって……」
昨日……は
ハルに、用事があるからと言われて一緒には帰らなかった。
「イオリがいるのに……っ」
「カナエ……」
駅ならマナ先輩と偶然に会う事だって有り得るのに、
こんなふうに言うカナエの様子からすると
多分偶然には見えなかったんだろう………
「偶然会ったのかもしれないし…」
そう言ってあたしはカナエに笑って見せた。
相変わらずカナエは泣いたまま。
あたしはそっと頭を撫でた。
「あたしの為に泣いてくれてありがとね」
ごめんね。
ありがとう。