LOVER OF LIE〜消セナイ想イ
「俺の胸はいつでも空いてるからね〜」
カイトはひらひらとあたしに手を振る。
「もーいー…」
カイトファンに勘違いされても困るし。
「…真面目なんだけど」
え…?
「じゃね〜」
一瞬だけカイトの表情が違った気がした。
だけどほんの一瞬で
あたしのカン違いだと思い直す。
カイトと会う事も
もうないだろう。
ハルからの着信とメールが何件かあったけど
あたしは出る事もメールを開く事もしなかった。
ごめんハル。
ちゃんとリセットして
明日からは
元のあたしに戻るから。
今日だけはハルを想う一人の女の子でいさせて……