ないものねだり
「は?今までの質問は?!」
「アレは普通の面接。」
「あぁ。なるほど。」
「あ!ちなみに、ソレは合格ね。」
「はは。誰でも合格するんでしょ。」
「そーんなことはないよぉ。何だか鋭いな。経験あり?」
「いや。こういうのは初めて。」
「こういうのは?
何ならやったことあるの?」
「キャバ。」
「はぁぁ!なるほどねぇ!だから面接慣れてんだ。軽いもんね。」
「別に慣れるほどやってないし。軽くないし。すみません。いきなりため口で。」
「あー、いい、いい。俺敬語とか苦手。そっちのが話が早くていい!これからもそれでよろしく。」
「って。まだ採用されてないし。」
「あー!される、される!絶対OK!かわいいし、オヤジの扱い上手いし!」
「なんでそうなるの。キャバやってたから?クビになって来たかもじゃん。」
「しないでしょお!君なら100いくよ、月。」
「時給2000円でなんで100?」
「そりゃあ、手当てが色々有るしね。君なら絶対お客つくよ!」
「手当てくれんの?」
「は?当たり前じゃん!」
「あぁ。当たり前か。」