ないものねだり
「って。
ココで君と話してたら、まるで援交みたいだな。」
また、男はやわらかな笑顔に戻り、少し辺りを見回した。
「………ですか?」
そう、そっけなく反したものの、本当は道行く人たちの目線が気になっていた私。
援助交際。
それを気にしていたわけではない。
他人にはそんな風に見えるかもしれないとか、それさえ頭にはなかった。
私が気にしていたのは、もっと別なこと。
たぶん。
冷静に考えたら、援交に見えることより有り得ないこと。