ないものねだり
風俗の面接を受けようとしているのを見られるのが嫌だ。
コレが私の頭の中。
そう。
この、目の前の、ちょっと歳がいって落ち着いた大人の雰囲気を醸し出している、
でも、明らかにただのサラリーマンではない、
ちょっと間違ったら、ホスト並みのこの、男。
風俗店の、主任なのだ。
私はこれから、この風俗店の面接を受けようとしている。
「まぁ、とりあえずこんなところで立ち話もなんだから、そこの店でコーヒーでも飲みながら話そうか!」
男は私の背後にあるカフェらしき店を軽く指差し、歩きだした。
私は軽く頭を2回縦に振り、男の後をついて行った。