あなたの玩具
僕はライオンのぬいぐるみ、ボロボロで今のご主人からはなんの愛情をもらっていない。どうやらストレス解消にされているらしい。毎日、僕は蹴られたり壁に投げ付けられたり。しまいにはご主人が住んでいるマンションの屋上から下に落とされたりすることもたたあった。そしていつも、ご主人は僕を持ち歩いている。散々酷いめにあわされたよ。前の僕は凄く痛くて苦しくてしんどいけど。かまってもらえるだけで我慢できた。 けど。





[汚い、不細工、全然ライオンらしくない、ボロボロ、ゴミ]





なんて毎日罵声を浴びせられてもう僕の我慢は限界だった。いっそうのこと僕なんかを捨ててしまえばいいのにと。何度も思ったよ。そんなある日のことだった。僕の両腕がもげてしまった。そして両足も。惨めだよ。惨めだったよ。僕は泣くことも怒ることもできない。ただ惨めな顔することしかできなかった。するとご主人の母親は僕の姿を見てこう言ったよ。

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