さっちゃん


「設定間違いとかじゃないの?」


不信な目を向ける私に、奏は続けた。


「話には、続きがあるの。で、その“さっちゃん”の着うたが流れた一週間後に、心不全で死ぬんだって」


「心不全?」


「そ。最近、ニュースでよくやってるでしょ?“謎の心不全で都内の学生死亡”とか」


電気屋の前で、奏は立ち止まって、ショーウィンドウに飾られているテレビを見た。


私も、そのテレビに目を向けた。


「今日未明、都内の女子学生が死亡しているのを、女子学生の身内が発見しました。女子学生は、自宅への帰宅の途中に倒れていたようで、救急隊員が到着していたときにはもう死亡していたのことです。原因は、心不全とのことですが、健康だった為、何故、心不全がおきたのかは、いまだ不明です。警察では、女子学生の行動を調べ…」


アナウンサーが今さっき話していた事件を読み上げていた。


「ね?」


「うん」


私は、頷くことしか出来なかった…。






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