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「ねぇ。瀬田先輩。なんならてっとりばやく。シャワー一緒に浴びません?お互い遠慮ばかりしていたら、風邪をひいてしまいますし」




まったく別人。そして先に私がシャワーを浴びていた。すると恭一が近づいて来た。




「安心してください。何もしませんから」





この状況でよくそんなこと言えるなと思った私だった。ちょっとびくついている。




「本当に何もしませんって?」




確かに恭一の瞳は嘘をついているようには見えなかった。恭一はシャワーをあびだした。私は恭一を見つめていた。そして出ようとした。



「もういいんですか?」




と私に問い掛けた。なぜか恭一のしぐさがやらしかった。




「うっうん」




と後ろを向いたまま返事をした。




「なーんだ、残念だなあ」



私はぎょっとして振り返った。恭一は笑顔で。




「どうしたんですか?」
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