メランコリック症候群
美月とはどうなわけ?とは流石に聞けず、俺は宏が差し出してきたスコーンを指で摘んだ。あくまでも俺は彼の美月に対する好意には気付いていない設定なのだから。

テンションハイな生徒会に、これまたテンションマックスな全校生徒、加えてテンションが怪しい校長によって表彰式は異常な熱気を孕んだまま着々と進められていく。俺は1人置いてきぼりを食らったまま、ぼんやりと校舎側を眺めていた。

締め切られたカーテンから、淡く光が漏れている。北校舎3階の一室。

「ではでは、皆さんお待ちかね!!これより生徒会主催、後夜祭を開催しますっ」

ここまでくれば逆に清々しいと思えるほどに近所迷惑な副会長のマイク越しの声に、呆れを通り越して、心配になってくる。何がって、もちろん彼らの頭の状態がだ。集団催眠にでもあったのか?

沸き立つグラウンドで俺は1人冷めていた。隣では宏が楽しげにけたけたと笑っている。

「高橋君!新居君!」

こんなに人が大勢いて騒がしいのに、どうやって俺たち2人の場所が分かったのか美月がひょこっと顔を出した。

美月が好きな宏+美月+フォークダンス+お相手が決まっていない宏

よし、明らかに邪魔だな。


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