メランコリック症候群
「キミは怒ってもらいたいの?」
「………それは」
俺は彼女のその言葉に少し考えてしまった。
怒ってもらいたいのか?
確かに、他人に自分を否定してもらいたいという気持ちはあった。悪いことをして、それで他人が失望してくれるのを心のどこかで望んでいた。授業サボって、屋上に忍び込むぐらいの事しか、出来もしないのに。
「何で此処にいるのとか、此処で何してるのとか、私はキミに色々質問したり、勿論怒ることも出来るけど、キミはそうして欲しいの?」
「……別に」
俺にはそれ位の返事しか返せなかった。俯いて何となく彼女のサンダルを見つめていると、クスリと笑う声が聞こえて、彼女は遠ざかっていった。爽やかな青い風が、俺の頬を撫ぜ、消えていく。
フェンスをガシャリと掴んで爪先立ちでグラウンドを眺めている。首のスカーフが風に涼しげに揺られ、ロングスカートがはためく軽やかな音。授業の開始を告げるチャイムが響き、騒がしかった校舎が静まり返った。
「キミもさ、屋上好きなの?」
「………それは」
俺は彼女のその言葉に少し考えてしまった。
怒ってもらいたいのか?
確かに、他人に自分を否定してもらいたいという気持ちはあった。悪いことをして、それで他人が失望してくれるのを心のどこかで望んでいた。授業サボって、屋上に忍び込むぐらいの事しか、出来もしないのに。
「何で此処にいるのとか、此処で何してるのとか、私はキミに色々質問したり、勿論怒ることも出来るけど、キミはそうして欲しいの?」
「……別に」
俺にはそれ位の返事しか返せなかった。俯いて何となく彼女のサンダルを見つめていると、クスリと笑う声が聞こえて、彼女は遠ざかっていった。爽やかな青い風が、俺の頬を撫ぜ、消えていく。
フェンスをガシャリと掴んで爪先立ちでグラウンドを眺めている。首のスカーフが風に涼しげに揺られ、ロングスカートがはためく軽やかな音。授業の開始を告げるチャイムが響き、騒がしかった校舎が静まり返った。
「キミもさ、屋上好きなの?」