メランコリック症候群
今度は蹴られないように喉まで出かかった言葉を飲み込んで、教室を出る。美月が慌てて俺に着いてくる足音が聞こえた。
「あ。ねぇ、美月さん」
背を向けて帰ろうとする俺達を白石が呼び止めた。電気を消されて廊下が暗いせいで、彼女の表情は見えない。白石を残して隣の教室に見回りに行く山下の、翻る白衣ばかりがやけに目につく。
「なぁに、由香里ちゃん」
「アナタ達って付き合ってるの?」
は?何を言ってるんだこの人は。
眉間に皺が寄るのを感じながら、視線だけで美月と白石を交互に見た。暗くても、近い美月の表情ぐらいはよく見える。彼女は何やら嬉しそうに笑っていた。
「そうだよ?」
「おい。違うだろうが」
「えぇー……」
肯定する彼女にすかさずつっこみ、宏の真似をしてピシャリと軽く頭を叩くと、抗議の声を上げられた。
「あ。ねぇ、美月さん」
背を向けて帰ろうとする俺達を白石が呼び止めた。電気を消されて廊下が暗いせいで、彼女の表情は見えない。白石を残して隣の教室に見回りに行く山下の、翻る白衣ばかりがやけに目につく。
「なぁに、由香里ちゃん」
「アナタ達って付き合ってるの?」
は?何を言ってるんだこの人は。
眉間に皺が寄るのを感じながら、視線だけで美月と白石を交互に見た。暗くても、近い美月の表情ぐらいはよく見える。彼女は何やら嬉しそうに笑っていた。
「そうだよ?」
「おい。違うだろうが」
「えぇー……」
肯定する彼女にすかさずつっこみ、宏の真似をしてピシャリと軽く頭を叩くと、抗議の声を上げられた。