メランコリック症候群
2人で散歩しない?これ、一緒に行こうよ。
しかし、だ。たった二言の誘いの言葉。それだけなのに、彼女からの提案に何の抵抗もなく俺の気は変わった。
だって、仕方がない。頭で考える前に首が縦に動いてしまったのだ。それに嬉しげに笑った彼女を目にして、やっぱ無し何て言えるわけもなく、この有り様だ。
この暑いのに学校に出て来て、そう、あまつさえ実質的に最後の休日だというのに、カウンセラーと2人きりだなんて。全く、酷すぎる。
まぁ、少なくとも表面上はそう装おう。
内心は嬉しいだなんて、そんな気色悪い事は伝わってしまわないように。
「じゃあ、もう少し勉強してて。私は仕事してるから」
「はい」
そう言うが早いか、デスクでパソコン作業を始めた彼女を横目でちらりと見てから、俺もシャーペンを握った。
全く。今日は毎日毎日グラウンドで汗を流している野球部でさえもいないのか。静かだ。怖いほどに。
こんなに静かだと、俺の心の中も彼女に知れ渡ってしまいそうだと、意味もなく不安な気持ちにさせられる。
「じゃあ、行こっか」
4時ぴったりに彼女はそう言ってデスクから立ち上がった。パタリとノートパソコンが閉じる音がする。
「もう帰ってこないから、忘れ物無いようにね」
「はい」
俺も問題集やらペンケースやらをリュックに入れて、カウンセリング室を後にした。
しかし、だ。たった二言の誘いの言葉。それだけなのに、彼女からの提案に何の抵抗もなく俺の気は変わった。
だって、仕方がない。頭で考える前に首が縦に動いてしまったのだ。それに嬉しげに笑った彼女を目にして、やっぱ無し何て言えるわけもなく、この有り様だ。
この暑いのに学校に出て来て、そう、あまつさえ実質的に最後の休日だというのに、カウンセラーと2人きりだなんて。全く、酷すぎる。
まぁ、少なくとも表面上はそう装おう。
内心は嬉しいだなんて、そんな気色悪い事は伝わってしまわないように。
「じゃあ、もう少し勉強してて。私は仕事してるから」
「はい」
そう言うが早いか、デスクでパソコン作業を始めた彼女を横目でちらりと見てから、俺もシャーペンを握った。
全く。今日は毎日毎日グラウンドで汗を流している野球部でさえもいないのか。静かだ。怖いほどに。
こんなに静かだと、俺の心の中も彼女に知れ渡ってしまいそうだと、意味もなく不安な気持ちにさせられる。
「じゃあ、行こっか」
4時ぴったりに彼女はそう言ってデスクから立ち上がった。パタリとノートパソコンが閉じる音がする。
「もう帰ってこないから、忘れ物無いようにね」
「はい」
俺も問題集やらペンケースやらをリュックに入れて、カウンセリング室を後にした。