メランコリック症候群
「あ、おかえりー」
遅くなった俺に文句を言う様子もなくにこやかな笑顔を見せる彼女に、何故か不満が湧いた。別に文句を言ってもらいたかったわけじゃないけど、気に入らない。
手を振る彼女に、男が振り返る。思った通り、山下だ。健康的に日焼けした肌を濡らす汗をハンカチで押さえながら、目を丸く見開いた。
「おぉ、高橋。なんだ、白石さん1人じゃないんだ?」
「2人で散歩に来てたんですよ」
嬉々として俺の手からソフトクリームを受け取って、彼女は幸せそうに顔を綻ばせる。俺は無言でスチール缶のプルトップを上げて、ブラックコーヒーを口に含んだ。案の定、温い。
「カウンセリングの一環ですか?最近、カウンセリング室に新居と美月も一緒に入り浸ってるみたいだし。なぁ高橋」
遅くなった俺に文句を言う様子もなくにこやかな笑顔を見せる彼女に、何故か不満が湧いた。別に文句を言ってもらいたかったわけじゃないけど、気に入らない。
手を振る彼女に、男が振り返る。思った通り、山下だ。健康的に日焼けした肌を濡らす汗をハンカチで押さえながら、目を丸く見開いた。
「おぉ、高橋。なんだ、白石さん1人じゃないんだ?」
「2人で散歩に来てたんですよ」
嬉々として俺の手からソフトクリームを受け取って、彼女は幸せそうに顔を綻ばせる。俺は無言でスチール缶のプルトップを上げて、ブラックコーヒーを口に含んだ。案の定、温い。
「カウンセリングの一環ですか?最近、カウンセリング室に新居と美月も一緒に入り浸ってるみたいだし。なぁ高橋」