花が運ぶ風
「花!」
「はいっ」
「さっきから呼んでるのに、返事しねーんだもん。」
「あ…ごめんね。」
「体調悪いか?」
「ううんっ。そんなことないよ!元気元気!」
「そっか…。良かった。」
そう言って京くんはほほ笑んだ。
私の大好きな柔らかい笑顔。
でも、その笑顔を壊しちゃうのが私なんだ。
心臓の調子が悪くなるたびに
京くんは私を心配して、暗い顔になっちゃう。
本当は、いつも笑っていてもらいたいのに。
心配なんかさせたくないのに。