インテリと春
「…無視かよ。まあいいや、元々お前は気紛れみてえだし」
「よく分かってんじゃん。上出来だよ安田」
「そりゃあどうも…だが今回は是が非でも付き合って貰うぞ」
「は?何の話?」
「昼飯だ昼飯。どうせこれから急ぎの用事がある訳でもねえんだろ?付き合えや」
嫌だね。というたった一言を言い終えるよりも早く、安田は職員室の中へと消えてしまった。
今のうちにとんずらしてしまおう。あたしが本当にただの不真面目な問題児だったのなら、そうしていたに違いない。けれど、その場から逃げることもせず、再び現れるであろう安田の姿を黙って待っていたのは、心底惚れているという気持ちにひとつの嘘も無かったからだ。