Diary:the Requiem

九日

ちょっと落ち着いた。

二日前、なのかな。思い出せない部分もあるけど、全部書こう。

マリアが、リサに引っ張られるように私の家に来た。

話を進めるのはリサで、詳しい内容を話すのはマリア。

私は水晶のような物を見せられた。

それは、私が旅行中、夜に流した涙だって。

マリアはあれから調べたんだって。

記憶の欠落、身体の鉱石化、最後は瞳の炎。

最後のひとつが何を指すのかわからなかったけれど、どれもこれもが身に覚えのあること。

瞳の炎の説明をするとき、マリアは私が借りた本を使って話した。

エピクロスの肋骨。瞳に溶岩のような炎を持つ少女。

貸したあの時は、まさかこんなことになるとは思いもしていなかったって。

次のページに続けよう。
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