Diary:the Requiem

十日

安静にしなさいという医者の先生の話を蹴って、私は自宅にいる。

つまりは入院しろっていうことだけど、ただでさえお金がかかるんだ。そんなこと出来ない。

昨日書き忘れちゃった。

記憶の欠落、身体の鉱石化、瞳の炎の続き。マリアは話さなかったし、医者の先生も言わなかったけど、最期には全身が鉱石になってしまうはず。

身体がぎこちないのも、記憶が消えるのもそのせい。

マリアは、しっかりしているように見えてドジっこさんだから。何で調べたのかタイトルを教えたら、私も調べちゃうって気付かなかったのかな。

全身の鉱石化よりも先に、脳か心臓が鉱石化してしまうことの方が多いらしい。

つまり、私の記憶が消えていくっていうことは、そう、つまりは、そういうことなんだ。

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