Diary:the Requiem

二十七日

三人で遊びに行った。

津久美市は遊ぶ場所が多いけれども、今日はちょっと街の気分じゃなかった。

どうしよう、と相談していると、リサが地元に行こうと言い出した。

リサの、だと思った私はもちろん了承。

案内してくれるのを待って、リサの顔を見ていると、彼女は首をかしげ「どうしたの?」と来たものだ。

どうやら地元というのは「森くろえの地元」を指していたようで。

やられた、と思いながら二人を翁江(おきなえ)に案内。

機関列車で四十分。駅からは私の運転で翁江砂丘に。

姫礎川(ひめそがわ)の東に位置する翁江には、その姫礎川沿いに砂丘が存在している。

規模が小さいので観光地にはなっていないものの、私のような地元の人がのんびりするにはいい場所。

きっと青空が見えればもっと綺麗なんだろうけど、蒸気と排煙に覆われた現在ではちょっと高望みすぎる。

リサは到着するなり靴を脱ぎ、靴下を脱いで駆け出した。

呆れる私とマリア。それをを呼ぶリサ。

結局私は一緒になって遊んでしまったわけで、マリアはと言うとハンカチを濡らして待っていてくれた。

もう、大好きだ。二人とも。

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