じゆうo
私の名前はあいo

"私"の"I"o
私のつけた、私の名前だo
私のために生まれた名前o

ぼんやり駅前で空を眺めている、アッシュブラウンのロングの少女が私o
特にすることもなく、若さを持て余し、嵌まっていることとかも別段ないo
溜息が零れると、すこしだけ白く目の前を掠めて消えたo
耳元でiPodが重低音を掻き鳴らしているo



 退 屈o 


行き交う人はやけにざわざわ楽しそうなのが、自分とは見事に反比していて少し腹立たしかったo

「あoあいやんo
おはo」

赤髪に黒メッシュの入ったリサが口ピをやたらとつけた締まりない唇をあげて笑って立っているo
隣にはロリータの花音も一緒だo
今日もくるくるの金髪縦ロールでBABYのピンクの洋服を着ているo

「おはよo今日もライヴ?」

私はジーンズのポケットからガムを取り出し、噛みながら言うo

‥キシリトールの味が舌に広がるo


「うん、そうやでo
今日もライヴo
KIRA狂愛やもんw ったり前やんw」
リサは大声で叫ぶo
「あらo
断然、ICHI様の方が演奏も"上手"な"上手"ギターだと思いますけどッ
ね?あい姫o」
花音の長い扇状の睫毛がばさばさと揺れるo

この二人は、ライヴハウスにもっぱら入り浸っては熱を上げているo

最近は"0-ゼロ-"というバンドが気に入ってるらしく、毎日通っている次第だo

ゼロは、かなりメンバーのビジュアルがよくて、5人のメンバー全員が180㌢を越えた長身に細身、鼻筋が通っていて、色白で‥とにかく色気があるのだo

歌詞は耽美的で凄く退廃的な物が多くて、たいてい、相手の彼女が死ぬ歌や、強烈で異常なほどの片思い、セックス最中を連想させるものだo


いわゆるV系であるo


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