青空〜aosora〜
感情のこもっていない声で、

彼女は自己紹介をした。

野辺綾美。

関西弁で自己紹介をする彼女と一瞬目が合う。

その瞬間。


ドクン。

なんだこれ。

ドクン。

心臓の音がデカイ。

ドクン。

意味わかんねー。

なんだ、これ。

ドクン。

『じゃあ、野辺は、

 あそこの空いてる席座ってくれ』

鷹野が指差したのは、

やっぱり俺の隣の席。

彼女は返事もせず黙って俺の隣に座る。
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