青空〜aosora〜
『お前、随分気合入ってるらしいな。

 ウチの部、入れ』

それは、部活の勧誘だった。

何部?

それをまず先に教えてくれ。

てか、部活入る気ねーけど。

『あの、俺。

 部活とか入る気無いんすけど』

おとなしく、おとなしく。

自分を抑えつけながら

無難な言い回しを考えながら話す。

つい言葉づかいがゆっくりになってしまう。

『やっぱりそう言うか。

 これでも?』

そうすると、その先輩は

ポケットからケータイを取り出し

誰かに電話をかけ、話し始めた。

『……そう、そう。

 じゃ、今変わるから』

そう言うと、俺に。

ケータイを手渡したんだ。
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