青空〜aosora〜
『あの~、中尾クン?

 これは、どういうことかな?』

普段は呼び捨てで呼んでいる中尾に

あえて「クン」をつけて。

女の子が連れだって

ちょっとトイレ、といって

いなくなった時を見計らい、

俺は中尾に問いただす。

『だって、後藤さ。

 彼女いないて言ってたじゃん?

 祭り、男だけで行ってもつまらないじゃん』

黙ってたコトを悪びれるでもなく

中尾は俺にそう言った。

『ま、今日は。

 祭り、楽しもうや』

その時、女の子達が戻って来て。

『あ?たこ焼き?

 祭りっていったら食べたいよね』

女の子達と楽しそうに

そんな話をする中尾を

それ以上問い詰められなかった。
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