青空〜aosora〜
『でも後藤くんすごいね~。

 ほんとに一発でとっちゃうんだもん』

石段に腰掛けて

クマのぬいぐるみのストラップを

自分のケータイにつけて

タチバナさんは嬉しそうに言った。

神社の神様を祀る、

そんな祭りのはずなのに

神社の境内には人影はなく

参道の出店の祭りの音が遠くに感じる。

『そんなこと、ないよ』

俺は、どこを見ていいのか分からず

タチバナさんの隣に座って

やたら遠くに感じる参道を見ていた。


『ね、後藤くんってさ。

 あんまり他人に興味ないの?』

タチバナさんが突然、聞いてきた。
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