青空〜aosora〜
『ほら、ユウ。

 見て』

花火が次々と上がる。

それに見とれるキョウコ。

ごめん。

心の中で謝る。

俺、キョウコと

一緒に花火見てても

何も感じられないよ。

『うん、キレイだね』

そんな薄っぺらな言葉しか

口からは出てこない。

ありきたりな言葉。

口にして、自分で

笑いそうになってしまう。

だめだな、俺。

不器用で上手に優しくするとか

そーいう事が出来ない。
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