青空〜aosora〜

『もしもし？』

電話に出ると、すぐに。

聞こえてきたユキさんの声。

安らぐ、っていうか。

ライブ前で緊張していた俺は

やたらほっとしたのを覚えてる。

『どうしたの？』

まだ、開演まで３時間以上ある。

『ん、なんとなく。

　ただ、声がね。

　声が、聞きたくなっちゃって』

カワイイ。

んな事言われたら。

思わず顔がにやけてしまう。

『今日、会えるでしょ？

　もうちょっと、待ってて』

俺がそう返すと

『うん、じゃあ、後でね』

そう言って、その電話は切れた。