青空〜aosora〜
そして、俺とユキさんは。

ライブハウスの後ろの方に

連れだって他のバンドの演奏を見ていた。

ライブハウス、独特の空気。

ライブハウスは初めてだって

ユキさんは、そう言っていた。

二人でくだらないことを話してたら。

『ユウ、そろそろ。

 スタンバイ…』

テルが、話しかけてきて。

ちょうど、それまで。

俺の陰になってて見えなかったんだろう。

ユキさんの顔を見て、

テルの顔が固まった。

それはまるで漫画のように。

たぶん、こんな感じになるんだろうな。

そんな事は、予想していた。

『わかった、テル。

 じゃ、ユキさん、俺行くから。
 
 見てて』

テルに答えた後ユキさんに向き直り、

俺は控室へと入って行く。


テルは、俺を追うように

俺の後から入ってきた。
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