青空〜aosora〜
控室は、防音壁独特の厚い扉。

その扉をしめると、さっきまで

痛い程大音量で聞こえていたライブの音は

遠くに聞こえる。

『ユウ、あの人…』

テルが、言いかける。

何を言いたいかも分かる。

でも、俺の中で。

もう、アヤミとは違う人として

ちゃんとユキさんと向き合っている。

それを、分かってもらいたい。

『似てるけど、違うよ。もちろん。

 ユキさんって言うんだ。

 高校の、先輩』

俺とテルとのやり取りに気付き、

タカヒロとマサシも近付いてくる。

『どうしたん?』

マサシの言葉に、俺もテルも言葉が出ない。

マサシにではなく、俺にテルは言った。
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