青空〜aosora〜
打ち上げが始まって、小一時間。

『あ、あたし。

 そろそろ電車なくなるから、帰るね』

ユキさんの言葉に、時計を見ると

もう結構いい時間。

『ごめん、気付かなくて。

 駅まで、送るよ』

そう言い、先に立ちあがったユキさんを

俺は追いかけるように立ち上がる。

ユキさんが頷いたあと、

振り向いて店を出た時に

ショウ先輩が俺に言った。

『ユウ、俺が言う事じゃ
 
 ないかもしれないけど。

 アヤミのこと、

 早めに話しておけよ?』

分かってる。

言われなくても。

俺に、勇気が足りないのかな。

はい、とだけ答えて

俺も店を出た。
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