青空〜aosora〜
店を出て、駅までの道。

どんな、話をしたんだろう?

俺は、覚えていない。

アヤミのこと、話さなきゃ。

そう、思ったのは覚えてる。

だけど、話せなかったことも。

駅に着いて。

自動改札の前。

改札を抜けるユキさんを

俺は見送る。

『ユキさん――』

思わず、声をかけてしまう。

だけど、何を話せばいいのだろう?

『なに?』

笑顔で、返すユキさん。

何を、話せばいいのだろう。

このタイミングで?

何を。

『また、連絡するね』

それしか言えなくて。

『うん』

笑顔を残して去っていくユキさんに

俺はなぜか罪悪感を感じてた。
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