青空〜aosora〜
2学期が始まった。

退屈しか感じていなかった学校は

文化祭の準備の季節に入り

少しずつだが活気を持ち始めた。

応援団は、毎年

文化祭二日目の体育館での

演技披露というイベントに向け、

日々練習を繰り返していた。


『応援団て大変そうやな?』

俺に話しかけてきたのは、

同じクラスのヤス。

坊ちゃん嬢ちゃんばっかりの中、

数少ないウマの合う

学校には馴染めていないヤツ。

『それほどでもねぇけど』

正直、毎日筋肉痛に襲われていたけど

そんなこと言っても

練習が軽くなるワケじゃない。

『な、ユウってさ。

 バンドやってるんやろ?』

中学校まで関西にいたというヤスは

まだ関西弁が残った口調でそう言う。
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