青空〜aosora〜
『お前…』

俺が、文句を言いかけた時。

『俺、やろう思ったことやらんと

 気ぃ済まんねん。

 悪いけど、付き合うてな』

軽快な感じで言うと、ヤスは。

俺の前から立ち去ってしまう。

それから、俺は。

平日は、学校へ行き。

授業を受け、放課後は部活の練習。

部活終わりでヤス達とバンド練習。

土日は、学校と地元のバンド。

順番に練習を重ねていった。

ユキさんと会えるのは、

昼休みと学校からの帰り道くらい。

悪いな、と思いながら。

なかなか一緒に過ごせずにいた。

『文化祭、終わるまでだもんね』

そう言ってくれたユキさんは

クラスの文化祭実行委員になっていて

学校から帰るのは俺と同じくらい遅く。

途中までは同じ帰り道。

同じ電車に乗り、帰る。

『ユキさん、なんかゴメンね』

夜の電車は、空いている。

座席に座るユキさんの目の前に立ち

俺はユキさんに謝った。
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