青空〜aosora〜
しばらくの沈黙の後、

ミキが呟くように言った。

『ごめんね、あたしこそ。
 
 ユウの気持ちはわかったよ。

 ホント、あたし、ごめん』

ミキの声は今にも消え入りそうで

その時俺は

電話の向こうにいるミキに

かける言葉を持っていないことに気付き

『じゃあ』

それだけ言って電話を切った。



その時俺は

俺がライブステージで歌ってた時に

観客席側で何が起こってたかなんて

これっぽっちも知らなかったんだ。

そして

なんでミキがこんなにも

俺に対して「ごめん」と言ったのかも。
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