青空〜aosora〜
『わかってる。

 わかってるよ、そんな事』

ユキさん。

分かってないのはユキさんだよ?

アヤミとの事はもう思い出。

今はユキさんだけ見てる。

俺の気持ちに気付いて欲しい。

止まる事のないユキさんの涙を見ながら

俺は言った。

『過去をもし変えられるなら

 それでユキさんが泣かないなら

 いくらでも過去をやるよ。

 でも、出来ないから

 今と、これからを。

 ユキさんと過ごしたいと思うんだ』

俺の心からの言葉だった。

『今は…。

 今は、アヤミさんのこと

 どう思ってるの?』

不安そうなユキさんの顔。

思うままに答えるしかない。

『忘れたって言ったら嘘になる。

 多分忘れる事は一生出来ない』

ユキさんがまた

大粒の涙を零した。

俺は言葉を続けた。

『でも好きかどうか聞かれたら

 悩むと思うよ。

 今では、思い出の中の人だから』

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