青空〜aosora〜
俺は、言葉を失い。

怒っていた事も忘れ、

ケータイを握りただ茫然としていた。

ミキがコピーしていたジュディマリも

そう言えば好きだって話をした記憶がある。

アヤミが死んで閉じ篭っていた俺を

立ち上がらせてくれるよう

アヤミの両親にお願いしてくれたのも。

アヤミに贈ったクリスマスカードに

「ずっと好きでいる」って書けって言ったのも。

俺は、そんなミキの気持ち

気付いていなかった。

いや、気付いていたのかも知れないけど

気付いていないフリをしてた。

小学校の時に転校してきたミキは

俺の初恋の相手でもあるわけで。

そんな事、もう思い出の。

過去の話だと思ってた。

『ミキ…』

ふとミキの名前を呼んだけど

その後に続く言葉が見つからない。
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