青空〜aosora〜
ミキにはめちゃくちゃ感謝してる。

俺にとってすっげぇ大切なヒトだって

そう、思っている。

だけど。

だけどそれは恋愛感情ではなく。

上手く言葉に出来ないのだけれど

幼馴染、友達、仲間、同士。

どんな言葉を並べても違う気がする。

俺はただひたすらに

言葉を失っていた。

先に口を開いたのはミキだった。

『だから、その。

 ごめん、って。

 ユキさんにユウから謝っておいて。

 変な事言っちゃってごめんなさい、って。

 二人の邪魔、したり、しない…から』

最期の方は泣きながら。

言葉は途切れ途切れになっていて。

俺はもうそれ以上ミキを責めるようなことは

何一つ言わずに

『ユキさんには俺から話すよ。

 じゃあ』

それだけ言って、電話を切った。
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