青空〜aosora〜
『ね、ユウ。

 好きな人が死んでしまったら

 それは物凄く悲しい事だけど

 ユウの事好きな人が居て

 それでプラマイゼロだから

 一人だなんて思わないでね』


その時、俺の頬を。

一筋の涙が伝った。

それは、頬を伝い

握りしめた手の甲に

雫となってこぼれ落ちる。


『もしアヤミさんがここにいたら

 今も生きていたら

 ユウはアヤミさんに何て言う?

 あたしが聞くよ?

 ねぇ、ユウ。

 なんて、言う?』


一度流れ出した涙は止まる事を知らず

それは言葉となり

気が付くと口からこぼれていた。


『ずっと一緒にいるって約束したのに

 守れなくてゴメン』

俺はそのまま泣き崩れた。
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