青空〜aosora〜
『予約したシノダですけど』

入口でウェイターにユキが話し掛け、

その言葉に俺はびっくりする。

予約、て。

どんだけ俺、クリスマスってイベント

軽く考えてたんだろ。

プレゼントは用意してるけど

他になんもしてなかった。

ご飯食べるトコの予約なんて、全然

頭に浮かばなかったし…。

きょとん、とする俺をユキが促す。

『ユウ?どしたの?

 行くよ?』

その笑顔に、その優しさに

俺は幸せ以外の感情を忘れて

ただ、ただ。

今ユキがいることに感謝していた。
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