青空〜aosora〜
それからユキはちょっと間を置いて

『ゴメン、なんかあたし。

 焦ってたのかな?』

俺は、クエスチョンマークを

頭の上に浮かべてしまう。

『なにが?』

なんのことだか、分からない。

ユキは、真顔で話し始める。

『アヤミさんのこと』

なんで、ここで。

アヤミの名前が出てくるのか。

わからない。

『なんで?』

俺は、聞く事しかできない。

『うん、なんか。

 あたし、多分。

 アヤミさんに負けたくないって。

 ユウの一番になりたいって

 そんな想いが強いの。

 自分で、ヤなコだって分かってる。

 アヤミさんは、もういないのに』

堰を切ったように話し出すユキは

その大きな目に涙を浮かべながら

そんな事を話し始めた。
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