青空〜aosora〜
『約束?』

俺はユキに聞き返す。

『あたしだけを見て』

まっすぐ俺を見て

そう言うユキの顔には

いつもの笑顔ではなく

見たこともないような

真顔というに相応しい表情があった。



『ユキ…』

俺は、ユキの顔をまっすぐ見る。

他の何も、目に入れないように。



『ユキ、俺。

 ユキだけを見てるよ』

俺はそう言うと、

鞄からユキに準備しておいた

クリスマスプレゼントを取り出す。

ドッグタグのついたネックレスと

一枚の封筒。

封筒の中身は、1週間後に控えた

カウントダウンライブのチケット。

『受け取って』
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