青空〜aosora〜
『ね、ユウ。
浴衣、変じゃないかな?』

ユキはピンクの浴衣を俺に見せながら言う。

受験勉強忙しいかも知れないけど、

1日くらい息抜きしなよ。

そう言って俺は

無理矢理ユキを祭に連れ出した。

『似合ってる。
 可愛いよ』

俺は心からそう思った。

その言葉に嘘はなかった。

駅で待ち合わせた俺達は

そのまま祭の行われている神社へ向かう。

『ちょうど1年前だよね』

去年、ユキが泣いてたトコ。

俺が、ユキを抱き締めたトコ。

そこを通り掛かった時に、

ふとユキが言った。
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