青空〜aosora〜
そして、最後の花火が上がる。

夜空に咲いた大輪の花は

いつまでも心に焼き付く。

『帰ろうか』

そう言ってユキは歩きだし、

俺の左手を握った。

歩き出さない俺。

怪訝な顔をするユキ。

『どうしたの?』

不思議そうに俺の顔を覗き込むユキに

俺は、今しかないと

そう思ったんだ。

『あのな。

 今日で1周年でしょ?

 だから、コレ。

 1周年記念』

俺は、なんか緊張してしまい

言葉が途切れ途切れになってしまう。

俺の手の中には、ペアリング。

男ものと女もので少しだけデザインの違う

シルバーのリング。
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