青空〜aosora〜
『まだ耳痛いよ〜』

道路の端に腰掛け、ユキは俺に笑いかける。

『大丈夫?』

ライブハウスの爆音に、なかなか慣れない、って

そう言えば前も言ってた。

『うん』

そう笑いながら答えるユキ。

いつもはツインテールにしてる髪を

今日は下ろしている。

『受験勉強って、大変?』

俺、ナニ聞いてるんだか。

伝えなきゃいけない言葉は

もっと他にあるはずなのに。

『大変だけど。

 たまにこうして息抜きできるから。

 だから、頑張れるかな』

ユキは、学校の特進クラス。

普段の成績もいいし、大学も

イイとこ目指してるから、

受験勉強だって楽じゃないはず。

そんなこと、聞かなくても分かるのに。
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