青空〜aosora〜
『頑張って、しか言えないけど。

 あ、そうそう』

俺は思い出したように話を変える。

わざとらしいくらいに。

『今日の最後の曲、ユキの曲だから』

照れ臭くて、おれはユキの顔を見ずに言う。

きっと俺の頬は真っ赤なハズ。

『だから、その…』

言いたい言葉がうまく、声にならない。

『だから、なんつーか…』

なんて言ったらイイんだ!?

俺は頭の中がこんがらがって

なんていうか、心臓イ゙ーってなるし

言葉が出てこない。

『ユウ、来年も。

 一緒に花火見ようね』

答はユキが言ってくれた。

そう、それだ。

その言葉を、伝えたかったんだ。
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