青空〜aosora〜
ユキの手を取り俺は

出来るだけ人気の無い所を捜す。

『ダンチョー先輩、彼女さん連れてる〜』

そんな1年生の声が聞こえても

振り向いたり微笑みかけたりはしない。

聞こえないフリをして、

俺はユキの手を握り締め

どこか二人になれるところを捜す。

どこだ。

どこでもいい。

どこか。

ユキと二人きりになれる場所があるなら

世界の果てまででも走る、

俺はその時本気でそう思った。
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