青空〜aosora〜
ユキの手を引きながら

俺は校舎の中に入って行った。

第2教室棟。

文化祭期間中一般客にも公開される

第1教室棟とは違い、

何も行われない第2教室棟は

外の喧騒が嘘なのではないかと思う程

ひっそりと静まり返っていた。


どこに行こうか頭を巡らせていた俺の手を

ユキが優しく導いた。

その先には、3年2組。

ユキのクラスの教室があった。

『今、誰もいないと思うから』

ユキはそう言うと、俺の手を取り

その教室の扉をあけた。
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