青空〜aosora〜
いつもの公園――。

それは、俺とアヤミの家の真ん中くらいにある

小さな公園。

ブランコと、ベンチと、砂場…。

それくらいしかない。

そのくらい小さな公園は、

学校の帰り道にあり、

ちょうどその公園が学校からの

俺とアヤミの帰り道の分岐点になってて。

いつの間にかそのベンチは、

学校の帰りに俺たちが

話したりするトコになっていた。

『ん、わかった』

そう返した時に、

夕方もいい時間になってるのに気付き。

『アヤミ、そろそろ。

 帰りながら、話そうか』

アヤミの父親は警察官。

門限なんかも厳しい。

当時、ケータイなんか持ってなかった俺は、

アヤミの家に電話する勇気はなく、

アヤミからの電話を待ってるだけだった。

それも、アヤミの父親がいないときに限りの。

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