青空〜aosora〜
『アヤミ、行こうか』

俺がそう言うと、アヤミは。

ちっちゃく駆け寄ってきて、

俺の手を握る。

キスはしたけれど、手を握るのは初めてで。

『なんか、照れるね』

アヤミがそう言い、歩く。

『あぁ』

嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ち。

入り交じっていたいたけれど、

幸せ、ってこういうものかと

そう感じていた。

手をつないで歩く街は、

いつも通りのはずなのに。

知らない街を歩いているような。

そんな、時間だった。

この瞬間が永遠に続けばいい。

そんなこと考えるだなんて、

退屈しか感じていなかった

あの頃からは想像も出来なかった。

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